脱資本主義宣言 鶴見済著 |
・生きるうえで絶対に必要な食べ物や着る物は、次々と輸入品に置き換わり、こんなことでよく国内に仕事が残っているなと感心するほどだ。
・経済やカネは、我々がよく生きるために役立てばいいのであって、我々がそのために人生を犠牲にするのは間違っているのだから。・・・我々はこれから先も「経済のため」を続けるのか、あるいは方向転換をするのか?「経済の動物」を続けてきた我々に今突きつけられている問いは、それだ。
・服の自給率わずか四パーセント、輸入品の八割は中国からのものだ。
・ならば過度に自分のせいにせず、カネを儲けている連中を批判した方がいい。そして服は流行遅れでもいいから、できるだけ繕って着古すことだ。そうしないと、干上がったアラル海に苦しんでいる人たちが浮かばれない。
・原発の問題には、この国と世界が抱えている経済や社会の問題が凝縮された形で詰まっている。大企業と政治家と官僚の癒着、マスコミと学者の翼賛、アメリカがかけてくる圧力、アジアへの輸出、中央と地方の権力の関係、等々、今白日の下に晒されているのは、これまでも見たくても見えなかった、社会を牛耳るための裏の仕組みなのだ。
・電通PRセンター社長の「我社の戦略十訓」
一、もっと使用させろ
二、捨てさせ忘れさせろ
三、むだ使いさせろ
四、季節を忘れさせろ
五、贈り物させろ
六、コンビナートで使わせろ
七、キッカケを投じろ
八、流行遅れにさせろ
九、気安く買わせろ
十、混乱をつくり出せ
(う〜ん、これに踊らせされられたのか・・・・)
・というわけで、自分もコーヒーを飲んではいるが、なるべく緑茶も増やすようにした。
・これが日本による世界最大級の政府開発援助(ODA)と言われる「アサハン・プロジェクト」であり、今ではインドネシアの副大統領から「全くの損害だった」と非難されながらも、日本では成功例として賞賛されている。
・自動車王国と呼ばれてきたロスアンゼルスも、三十年代なかばまでは当時世界最大の地下鉄と郊外電車の鉄道網を持つ、緑に恵まれた街だった。しかし、三八年からGMは石油会社などと持ち株会社を作って鉄道会社を買収し、赤字経営を理由に鉄道網をすべて廃止させてしまった。そしてそれに代わって作られたのが、縦横に伸びる高速道路網だった。
・これからは自動車を作る代わりに何をすればいいのかを考える時だ、それは地球環境や「南」の人々のためというよりも、自分の生きがいのために、だ。
・自販機は日本に五◯八万台もあって、台数ではアメリカの方が上だが、二五人に一台という割合も、年間五兆三千億円という売上も世界一である。では、自販機はどのくらい電力を使っているのか?自販機全体の一年間の電力量は六六億キロワット時と、原発一基分の年間発電量七一億キロワットに迫っているのだ。
・「自分たちは健康によくないもの(タバコ)を売っている」と認めながらも、売上を落とす気はない。「北」で売れなくなったら、「南」で売ればいい。タバコに限らず、様々なジャンルのグローバル企業が取っている手口がここに露呈している。
(JT もそうですわな、外国のタバコ産業を買収までしているのだから分からん)
・マクドナルドは、どれほど、エネルギーの無駄の多い「肉食」を世界中に広めたことだろう。またその牛にたべさせる大量の牧草のために、南米大陸の広大な熱帯雨林が伐採されもした。
・チャベス大統領、格差の広がっていたベネズエラで富の再配分を図り、貧困層に医療、住居、教育などを与え、最低賃金を引き上げ、失業対策や食料対策をすすめ、石油の実質的国有化も実現。先住民の土地所有権も認めた。アメリカとの自由貿易に反対し、ラテンアメリカ各国と結んで独自の貿易圏や金融圏、放送網を築こうとしていた。貧困層は一時55%あったのが、38%に減った。
・今強調すげきなのは分業のメリットではなく、行き過ぎた分業を見なおして、より多様で自給自足的な方向に戻すことだ。我々は社会の生産性を上げるために生きているわけではない。
・またオイルショックで不況になった「北」の国が援助と称して行った貸し付けの被害も大きかった。原発を南に輸出したい北の国が何千億円ものカネを貸すのは最近目立つケースだが、このした自国の企業のインフラなどを買わせるためにカネを貸すことは、”ひも付き援助”と呼ばれ批判されている。
・貧困とは、元々配分の誤りなのだ。環境や資源の限界を考えれば、パイ全体はこれ以上大きくならないことも明らかだ。配分をまともにして、ごく一部の人間が富を独占するのをやめれば、経済規模などむしろ小さくなっても、世界は十分に成り立つに違いない。
・宮下公園ナイキ化反対運動(そんなことがあったなんて、知りませんでした)
渋谷区がナイキジャパン社に10年間1億七千万円という格安の値段で売り払うものだ。それに伴ってナイキが資金を出し、有料のスケートボード場とロッククライミング施設を増設する、全面的な改造工事を行う。
・カネを使わない方が楽に生きられる、とは言えない。むしろ、一般的には、なんでも買って済ませたほうが楽だとされている、けれどもこうしたほうが、なんと言うか、生きることに興味が湧いてくる。
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