ゴーマニズム宣言SPECIAL脱原発論 小林よしのり |
そんなことを考えさせてくれる、本です!
政府が安全と言っている基準は、本当に安全なのか、子どもたちへの影響を真摯に考えた結果なのか!
福島の原発事故は、想定外と言っているが、本当にそうなのか、単に当然がその対策を怠ってきた結果ではないのか!
原発が、安全で、安く、クリーンな電力だと言ってきたが本当か!
・外務省が昭和59年国内の原発がテロや爆撃で攻撃された場合の被害予測を研究、格納容器が破壊された場合、最大で1万8,000人が急性死するという報告書を作成していながら、反原発運動を恐れて公表しなかったというのだ。その報告書では、「全電源喪失」のシナリオも研究されており、もしこの報告書が公開されていれば、今回の事故の前に対策が取られていた可能性もあったのである。
・我々は、さらなる大事故が起こるかもしれないリスクを承知して原発を維持し、「進歩」しつづけようとすべきなのか?、それとも「進歩」に執着することをやめ、進歩の果実を、自然と化学技術を融和させた新たな日本文明に踏み出す道を選ぶか?
・「放射線は身体いい」などと戯言と唱える「放射線ホルミシス」なるトンデモ説を、自称保守派の錚々たるご老体の方が信仰しているが、・・・・やっぱり放射線ホルミシスは「信仰」だった!
・原発は、自国に甚大な被害を及ぼしかねない「潜在的自爆核兵器」とでも呼ぶべき存在である。原発がテロ攻撃に対して非常に脆弱だという指摘もすでになされている。
・日本の石油化学プラント大手・日揮は、これまで使えなかった低品質石炭を加工・液化した新燃料を開発、2015年から生産を始める。石油火力発電向け重油の代替燃料として、3〜5割安い価格を提供できる見込みだという。
・2012年7月1日から再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度がスタートしました。早速、電力御用メディアはm「負担金は電力料金に上乗せされる」と脅しに躍起になっています。
・ドイツが電気を輸入していたのは電力不足のためではない、輸入の方が安かったからである。
・原発を再稼働させたがるのは、電力不足のためではない。原発が動かせず、不良資産になってしまったら、電力会社が大幅な赤字をだすことになるからだ。「化石燃料の輸入でコストが上がる」という脅しもあるが、ウランも100%輸入であり、今まで日本はLNG(液化天然ガス)を韓国の2倍の値段で輸入していた。「原発は安い」という虚構を作るために、わざと産ガス国の言い値で買い、安く買う努力をしてこなかったのである。
・本書は、平成24年7月中旬に執筆を終えるが、この夏が過ぎても、そして政権が変わっても、決して脱原発の情熱が失われないことを祈る。
この本や、原発のコスト等の本を読むと、脱原発をしない限り、明日は開けないと言う感じがヒシヒシと伝わってくる。そして、原子力発電が進められて現在に至る経緯、我が国の債務危機、これらは同じプロセス(日本が太平洋戦争に突っ込んだのも同じ)で、来ていると思う。
密室(村、官僚)で決められている、正確な情報を公表しない、先送り、責任の所在が不明等々
しかし、著者が最後の最後に書いている、「脱原発の情熱が失われないことを祈る。」がすでに風化してきているような感がして、怖い!