受けいれる 加島祥造著 |
いまの自分
だめな自分
愚かな自分
恥ずかしい自分を受けいれる
そしてかわいがってやる
すると元気が湧くよ
小さな自分なりの
勇気がね
私たちの心は
怖いと、ことわる
怖いと、こわばる
怖いと、こだわる
怖いと、混乱する
怖がってこわばると
体は
命の流れを締めあげる!
陽の光の中に立つと
影ができるーーその影を怖がって、逃げようとする人がいた
走りだす
いくら走っても
影はついてくる
疲れはてて、倒れる
立ち止まって
木陰で休めば
影は消えるんだがね
根のない恐怖に
おびえないことだ
ふりそそぐ不安に
ふるえないことだーー
みんな幻だ、と見ぬくことだ
はじめの自分を受けいれるーー
それは多くの人たちには
よくわからないことだーーでもね、
わからないまま、自分なりに受け入れて
やすらいでいる
そういう人は、その人なりの
人生の智慧をもつ
眼をみればわかるよ
道は変化だ
道の人は変化を
友として遊ぶ 荘子
しなやかに生きぬく人は
すべての変化を
肚に受いれて
あぐらをかいている
変化を受けいれない人は
目をそむけ固く正座している
かつてこう願ったーー
すべてが変わることへの感傷から
すべてが変わることへの感動へ
いまはこう言うーー
すべてが変わることの恐れから
すべてが変わることへの喜びへ
この四十年で
私の中におきた変化だよ
自分で変えられるものは
変えていく
自分で変えられないものは
受けいれる
・・・・
でもね
社会のルールの受けいれを中止して
はじめの自分に従う人は
別のルールを受けいれるんだーー
命のルールをね
それが、僕が話してきた
受けいれる
なんだよ
自分を今のまま受けいれるとき
自分はいまの命を生きている。
はじめの自分につながっているのです、
このはじめの自分の発見は、
「受けいれる」の中心になるテーマです。