まちの幸福論 山崎亮さん |
・「日本には課題が沢山ある。高齢化、少子化、自殺、孤独死、自然災害、エネルギー、農業・・・世界に類をみないほどの課題が山積しているが、それらは日本の特殊な事情ではなく、これから世界中の国々で顕在化してくる課題でもある。課題をひとつひとつ解決していくことができれば、日本は世界に先んじて課題を克服したお手本となることができる」小宮山宏東大総長
・限界集落
①耕作放棄地の増大 ②森林の荒廃 ③獣害・病虫害の発生 ④ゴミのの不法投棄の増加 ⑤空き家の増加 ⑥伝統的祭事の衰退 ⑦集落景観の荒廃
・しかし、人口が減り始めたいま、新規開発だけが集落の目指す方向性ではなくなってきている。
・若い人が集落へ戻るための条件
①働く場所があること ②子供の教育や子育てに良いこと ③生活関連施設の利便性が高いこと
・よの中には幸運な条件が重なって、面白い人生を歩んでいる人がたくさんいる。そういう人たちは、実は知らず知らずのうちに、自分にとって幸運な偶然が起きやすい行動をとっている
幸運な偶然を起こす人が持っている、5つの特徴
①好奇心 好奇心を持ち、広げる ②持続性 すぐには諦めず、やり尽くしてみる ③楽観性 大半の恣意的なコメントよりも、ひとり前向きなコメント心に置いてみる ④冒険心 失敗はするものだと考え、いまある何かを失う可能性よりも、新しく得られる何かにかけてみる ⑥柔軟性 状況の変化に伴い、一度意思決定したことでも、それに応じて変化させればよいと考えてみる
・リサーチすると、さらに調べたいことがどんどん出てきます。・・・どこかで提案の頭に切り替えないと研究になってしまう。
・発想というのは、物事を知るほど豊かで自由になるものだ。社会に出る以前の学生の発想が凝り固まっているのは不思議ではない。
・課題を受け入れ、その状況下で古い価値観にとらわれずに生きていける学生たち。近い将来、彼らが社会に出てから発揮してくれるだろうオリジナルな発想は、これからの日本が追い求めていこうとしている、モノや金だけでは得られない暮らしのかたちを、大きく左右するに違いない。(大人の目からは、非常識に見える)その作法の中から、モノやお金という常識で判断されてきた従来の価値観とは異なる豊かさの基準が生まれてくる可能性もあると思えてくる。
・偶然を幸福に導いてくれるが、”Yes,and”のコミュニケーションでもあるという気がしている。
・「すぐやる課」も「あなたのかわりにすぐやる」のではなく、「住民が困っていること住民と一緒になってすぐに解決する」ための部署であるのが本来だろう。
・ウイリアム・モーリスは、市民全体の幸福としての芸術があるはずだ、というのである。「芸術家は特別な人種ではなく、むしりすべての市民が特別な芸術家なのだ」という考え方は、市民がまちにかかわるための第一歩を踏み出すきっかけを与えてくれる。
・(究極の安全を追求したとしても、そこに「まちの幸福」ははたして生まれるだろうか)安心という心理は、そこに住む人が課題を理解していることだと思う。
・目的や思考を一つに固定せず、いろいろな価値軸を持っていれば、豊かに生きていくことができる。里山を目にするたびに、そんなことを思う。
・カルフォルニア工科大学に「再生研究センター」という施設がある。日本から視察に来た人に向かってこういうそうだ。「私たちの施設は、日本の昔の暮らしを研究し、その知恵から多くのヒントを得てつくられたものだ。知りたいことがあれば、日本に帰って地方の集落を見にいけば良いではないか」