ドラッカー 非営利組織の経営 パート2 |
・そのうえで、上司、同僚、部下に対し、「こうしてもらえれば助かる。これは困る。私がお役にたっていることは何か。邪魔になっていることはなにか」聞いて回ることである。これで八割方はうまくいく。ただしメモで聞いてはならない。直接会ってきかなかえればならない。
・特にボランティアには責任を与えなければならない。大きく羽ばたかせ、必要な意思決定をさせなければならない。
・やり直しのきかない最も難しい人事がトップの継承である、それは、ギャンブルである。トップとしての仕事ぶりはトップにつけてみないとわからない。しかし、してはならいないことは簡単である。辞めていく人のコピーを後継にすえてはならない。コピーは弱い。さらにまた、早くから後継者と目されてきた人物も避けるべきである。そういう人は、多くの場合成果が必要とされ、評価され、失敗も犯しうる立場に置くことのなかった人である。傍目には良いかもしれないけが成果をあげる人ではない。
・つまるところ、非営利組織の成否を決めるものは、やる気のある人たちをどれだけ惹きつけ引きとめられるかである。この能力をなくしたとき衰退が始まるのであり、逆転は不可能に近いというべきである。われわれは得るべき人材を得ているか、活躍してもらっているか。そのような人材を自ら育てているか。人事に関して考えるべきことはこの3つだけである。
・非営利組織において諸々の関係を評価するための規準は、問題を解決できたかではない。問題があるにもかかわらず機能しているかどうかである。問題は残る。重要なことは、それらの問題が大切なことを邪魔しないようにすることである。
・人は強みへの集中によってのみ自らの成長を図ることができる。そうして初めて、自らのビジョンを生産的なものにすることができる。実に、貢献を行うものとは、組織のミッションそのものを成長させる者のことである。
・自己開発とは、スキルを修得するだけでなく、人間として大きくなることである。おまけに、責任に焦点を合わせるとき、人は自らについてより大きな見方をするようになる。
・指紋のように自らに固有の強みをはっきしなければ成果をあげることはできない。なすべきは自らがもっていないものではなく、自らがもっているものを使って成果をあげることである。
・アルバート・アインシュタインは、「シンフォニーを弾けるぐらいバイオリンがうまくなれるなら、ノーベル賞と取り換えてもよい」といっていた。その彼が弦楽器に必要な技をまったく欠いていた。日に4時間弾いていた。それは彼の強みではなかった。
・成長のために偉大な能力をもつ者はすべて自分自身の焦点を合わせている。ある意味では自己中心的であって、世の中のことすべてを自らの成長の糧にしている。
・私が十三歳のとき、宗教の先生が「何によって憶えられたいかね」と聞いた。誰も答えられなかった。すると。「答えられると思って聞いたわけではない、でも、五十になって答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよ」といった。
・本当の活力は責任を与えられたときに生じます。
・「もしわたしが明日辞めても、大きな変化はないと思います」という言葉がいちばん大事だと思います。これは組織を預かる者にとって最大の自慢です。
・「自分の人生は自分で設計しなさい。だれも設計してはくれませんよ」しかも彼の人生は自己開発には二つの意味があることを教えていた。一つは人としての成長であり、一つは貢献のための能力の向上だった。一方の人としての成長は、自分の存在の外のものに仕えることによって始まる。
・イノベーションに力を入れ改善を怠ることは間違いである。イノベーションは自己開発のスキルである、しかも問題があるときでなく、うまくいっているときにこそイノベーションは行わなければならない。
・貢献の能力の向上には具体的な方法がある。例えば、教えることが最高の方法の一つである。先生の方が生徒より多く学ぶ。
・自己開発は哲学でも願望でもない。それは人としての成長である。同時に貢献の能力の向上である。したがって、私はあなたに「明日何をしますか。何をやめますか」とお聞きすることに本書の結びとしたい。
ボランティア団体から引き下がった状態でもあったので、途中まで、読んで止めていたけど・・・なかなか良いことが書いてありました。