ドラッカー 非営利組織の経営 |
・アメリカ社会を論じるとき、日本ではアメリカの個人主義を強調する。そして、日本のコミュニティーにおける絆と対比させる。アメリカ人は非営利組織をコミュニティーにしている。しかも、非営利組織はアメリカ人にとって自己実現の場になっている。
・重要なのは、カリスマ性ではない、ミッションである。
・あらゆる非営利組織が、活動の点検、改訂、廃棄を体系化しておかなければならない。ミッションは永遠であって神の定めのものかもしれない。だが、目標は常に具体的であれ。
・非営利組織には、機会(ニーズ)、卓越性、コミットメントの三本柱が不可欠である。
・ボランティアとは、報酬でなく仕事に喜びを見出すという種類の仕事のプロなんですから。
・新しいものには、それに惚れ込んだ人間のコミットが必要だということである。本気の人はパートタイムではやってくれない。
・チャーチルのようなリーダーは滅多にいない。しかし、「頼まれたことも、やりたいことも違う。しかし必要な仕事はこれだ」といってその仕事に取りかかってくれる人はいるはずである。
・「重要なことは自分の子どもをその人に下で働かせたいと思うかである。その人が成功すれば、若い人は見習う。だから私は自分の子どもがその人のようになってほしいかを考える」
・リーダーにとって、最悪のことは、辞めたあと組織ががたがたになることである。それはリーダーが単に収奪するだけだったことを意味する。何も作り上げなかったことを意味する。
・リーダーは後継者を自分一人で選んではならない。どうしても、20年前の自分に似たものを選びたくなる。しかし、似ているように見えることが、そもそも幻想である。もし似ていたとしても、コピーにすぎない。コピーは弱い。
・非営利組織は資金源開拓によって支持層を築いているわけです。理解と支援を築いています。人に満足をもたらしています。つまり資金開拓こそが非営利組織の仕事に必要な基盤を築くことになる。
・非営利組織は、人の配置にベストを尽くさなければならない。みながそれぞれの強みを発揮できるよう配置しなければならない。
・意見の対立を勧めるもう一つの理由は、あらゆる組織が、反体制派なるものの存在を必要とするからである。変化が必要になったときには、進んで変化を支持することのできる者が必要となる。あらゆる組織が反体制派の存在を必要とする。しかも望むべくは、組織内で敬意を払われる反体制派がほしい。
・意見の対立には、些細な争いを吹き飛ばす効用がある。みなが本当の問題に取り組むようになる。
・人事は第一に、なされるべき仕事からスタートからスタートする。
第二に候補者を複数用意する。通常われわれはだれが最も適任かは自明と思う。だが、感覚で決めてはならない。親しさや先入観で目を曇らせることを防がなければならない。
第三に、成果の実績を見る。性格を見るのではない。「人とうまくやっていけるか」「イニシアチブをとれるか」などのくだらないことで評価してはならない。正しい問いは、「最近の三つの仕事をどうこなしたか。やり遂げたか」である。
第四に、強みを見せなければならない。「最近の三つの仕事で、何ができるかを示した」を見る。
第五のステップとして、彼女と働いことのある者、二三人と会う。そして、「三ヶ月経った、これから何をやるつもりか書きだしてください」という。彼女が何を書き出すかによって人事が正しかったかどうかがわかる。
・「任務は何か。訓練か。訓練が一流なら昇進させよう。その後のことは私が引き受ける」といったという。