原発のウソ 小出 裕章著 その2 |
・実は、100万kwの原子力発電所の原子炉の中では全部で300万kwもの熱が生み出されています。そのうち、わずか三分の一だけを電気に変えて、残り三分の二は捨てているのです。どこに捨てているのかというと、海です。
・日本の約37万8000平方キロの国土には、1年間に流れる水量が4000億トン。では、日本には現在54基の原子力発電所がありますが、それから流れてく7度温かい水がどのくらいあるのかというと、約1000億トンです。
・一方多くの人たちが「未来のエネルギー」との幻想を抱いているウランは、利用できるエネルギー換算で石油の数分の一、石油に比べれば数十分の一しか地球上に存在していません。
・「もんじゅ」では水が使えず、ナトリウムで冷却します。このナトリウムという物質は「水に触れると爆発する」「空気に触れると火災を起こす」という。科学活性が非常に強い物質です。そんな危険なもので原子炉を冷やしながらプルトニウムを作ろうとしています。
・世界の主要な原子力発電利用国であるアメリカ、フランス、旧ソ連、イギリス、フランス、ドイツ、日本の中で、独自に原子力技術を開発してこなかった特異な国は日本だけです。
・一番の代替案は「まず原発を止めること」です。「代替案がなければ止められない」というのは、沈没しかけた船に乗っているのに「代替案がなければ逃げられない」と言っているようなものです。命寄りも電気の方が大事なんですね。原発は電気が足りようが足りなかろうが、即刻全部止めるべきものです。そして、全部の原発を止めてみた時、「実は原発がなくても電力は足りていた」ということに気づくでしょう。
・「核のゴミ」は誰にも管理できない。300年先の世界なんて、想像できますか?
・残念でありますが、人間とは愚かにも欲深い生き物のようです。豊かさや便利さを追い求めながら、地球温暖化、大気・海洋汚染、森林破壊、酸性雨、砂漠化、産業・生活回帰物、環境ホルモン、放射能汚染、さらには貧困、戦争など、多くの”人災”を引き起こして地球の生命環境を破壊しています。主として人類が生き延びることに価値があるかどうか私にはわかりません。
・安全な地球環境を子どもや孫に引き渡したいのであれば、その道はただ一つ。「知足」しかありません。代替エネルギーを開発することも大事ですが、まずはエネルギー消費の抑制にこそ目をむけなければなりません。
小出さん、「人類が生き延びることに価値があるかどうか私にはわかりません」と否定的なコメントで、終わっています。
福岡さんの動的平衡2の中で、蝶の幼虫は、頑なに決まった葉しか食べないという。同じような葉でも食べることがなく、その葉がなければ、命絶えるという。そのことにより、棲み分けを図っているそうです。それに比べて人間は、結局何でも食べることによって、地球上に繁殖をしてしまった。
北米のコヨーテも雑食で、その範囲を伸ばしているそうです。
そんな、生物は、地球にとって迷惑かもしれませんね。
小出さんの結論は、まず脱原発です。おっしゃる通り、原発が全基止まったとしても、生きることには、なんら問題ないことが、分かってきましたものね。