脱原発と時代のうねり 脱原発世界会議 知らなかったね! |
岐阜県の農家石井伸弘さんらが昨年夏につくったNPO「電気をカエル計画」。地元の学校や企業に高効率の蛍光灯やエアコンを使う省エネを勧めている。自治体には、大手電力会社との契約を、原発を持だない企業に変えるよう求めている。
「人口9万の市役所で年間500万円を節約した例もある」という実例を引きつつ、石井さんが各自治体での電源調査を呼ぴかけると、「私の町でも運動を広げたい」と次々に声と手が挙がった。 自然エネルギーの分科会では、スウェーデン在住11年の佐藤吉宗さんが、電気代の領収書を示しながら「私の使う電気は水力と風力。これができるのは発電と送配電の仕組みを別々にしたからです」と説明した。すると、ここでも電力自由化のメリットについて「もっと中身を知りたい」という反応が相次いだ。
印象的だったのは、こうした分科会での講演の前後に必ず1分程度の時間をもうけ、隣の人と自己紹介や感想を語り合っていたことだ。参加者同士の絆をつくる狙い通り、あちこちで笑顔の輪、熟議の輪が広がっていた。
ピースボート共同代表の吉岡達也・実行委員長は2日目夜の記者会見で言った。「多くの人は会議のことをインターネットで知ったのではないか。日本でもアラブの春に似た運動が起きつつある」大手メディアがほとんど報じなかったことへの不満が感じ取れた。
私もネットで会見を見て、会議の熱気を思い出すとともに変化へのうねりを感じた。時代の節目だ。こうした草の根の動きにもっと目を凝らしていきたいと思う。(国際社説担当)