本気で文化を格好良く 星野佳路氏 |
世界の旅行市場は今、大激変が起きています。日本には観光が伸びる要素がそろっていますし、国内市場も莫大にありますから、マーケットに押されて拡大することは可能だと思います。一生懸命やればさらに伸びる余地は十分にある。世界的に見れば、成長市場のど真ん中に日本はいると思います。
景気のせいで観光業や旅館業の業績が悪いということはなく、この大きな変化を察知して進化し続けているかいないかという差があるだけです。
江戸時代からずっとある日本的形式の中でも、守るべきものと変えるべきものは、お客様の声に耳を澄ませて選び取っていかなくてはなりません。
働く人間がフラットな人間関係を築けるようにしています。情報の制約や上下関係をなくし、ポジションに関係なく「言いたいことを、言いたい時に、言いたい人に」言う、フラットな組織の文化です。 私はアイスホッケーから「氷の上では上下関係など関係ない」ことを学びました。
もちろん最初の頃は反発もすごかった。とくに中間管理職は、下の者が自由に話し始めるのが不愉快らしく、上にも横にも縦にも自由にコミュニケーションが取れることに我慢がならなかったりするようです。「そんなこと言われたって無理だよ」という言葉を何度間いたか分かりませんし、自由に発言しようという提案は、識外れと受け取られました。
しかし、慣れていけばとても前向きな議論ができます。上の人間も気軽にアイデアを口にすればいいし、新卒者も学生時代の延長で自分の考えはどんなことでも発言する。これで会議は確実に活発になっていきます。大切なのは誰もが当事者として出せるだけの知恵を出して、現場で意思決定をして、こぎ出していくこと。
「誰の主張か」ではなく「どんな主張か」が重要なことなのです。
考えることをやめなければ、できることは限りなく見つけられると思います。