最新技術を貧困層に届けるNGOを主弄する 中村俊裕さん |
だが、貧しい人々の暮らしは変わらない。「援助は本当に役に立っているのか」。違和感はその後のアフリカ勤務でも残った。
家庭レベルで変化を起こせないか。いくつかの企業に製品提供を働きかけた。低所得層向けビジネスを商機とうかがう社からの反応はよかった。援助の世界を転換させようと、昨年4月に国連を休職し、米国でNGO「コペルニク」を立ち上げた。
製品は、ただで配らず、どんなに割引しても販売する。売り買いすることで「必要なところにサービスがいく」。東ティモールのある県では4分の1の世帯にランプが普及。夜景が変わり始めた。
「小規模でも、役に立っているという実感がある」。国連は、近々やめるつもりでいる。 文・秋山訓子