ジュンク堂には、そんな強い思いがあったのですか!! |
教育立国として生きる日本で、欲しい本が手に入らなくなったら社会の根幹が揺らぐ気がする。本はそれほどに大切な存在だと思います。
なぜ200万冊もそろえるのか。売れ筋を見極めた品ぞろえをという考え方ももちろんあるでしょう。でも、私たちは本の最後の砦でありたいのです
その思いの発端は、阪神・淡路大震災の体験だった。被害を受けた神戸地区にある店に、震災の直後から「地図が欲しい、受験参考書はないか」と住民が次々にやってきた。
「電気や水道などのライフラインも復旧していないのにと驚きました。書店はこんなにも必要とされているのかと。書店が元気でいれば街も元気になれるのではないか。この時、うちの従業員みんなに使命感が目覚めたと思う」
書店員は販売職ではなく、専門職であるという在り方も定着させた。分類されたコーナーごとに、担当20年を超えるツワモノたちが本を選び、「飲み屋の主人が探していた、非売品の醸造の本まで見つけ出してきたりしますからね(笑)」岡さんは目を細めて、本が好きで仕方がない従業員の話をする。
「本が無いなんて切ないですから」
感謝の気持ちがこみ上げた。 朝日求人 田中美絵