安藤 忠雄さんの講演より報告の件 |
冒頭から、大阪への辛口が多かったです。
最近は15ぐらいの仕事を抱えているが、外国&東京の仕事がほとんどで、関西はほとんどない。
大阪の人は、外国に行かない、だから関空からの直行便がどんどん減っている。
依頼主や外国の方には「こんな不便なところに、まだ、住んでるの?おかしいよ」とよく言われている。
中学2年のころから、建築に興味があった。近くの大工の人と家の増築をしたことがある。
でも、大学には経済的理由でいけなかった。それでも諦めずに、祖母に頼んだなら、人に迷惑をかけない、絶対諦めない、このことを条件に建築に進むことを許された。
高校を出てから、「1日15時間本を読む、1年間外に出ない」と決めて、京大や東大の建築の教科書を始め、ひたすら本を読んだ。
25歳ぐらいの時に、初めて建築の依頼をとれた。だが、ここから35歳ぐらいまでは、依頼主の声をほとんど聴かずに、自分の思いこみで作っていた。それで、よく頼んでくれたと思う。
大阪が元気なく、良い優れた人は東京に行ってますよ。
韓国は元気で、2500万のゴルフ場会員券だって、一気に売れている。12月には、上海でも私の展覧会をすることになっています。
人生を楽しく、生きる力は好奇心、大阪の人、特に男性は少なすぎると違いまっか!
映画館に1年に、3回くらいは行ってますか?月に3冊ぐらいの本読んでますか?美術館に行ってますか?
女性は元気です、皆さんが仕事だけに没頭している時に、講演会、美術館に出かけています。
熟年離婚は、なぜ起こるか。それは女性と男性の文化度が違うからです。仕事だけじゃなくて、もっともっと、好奇心をもっていかないとダメでしょう。
大阪には希望がない。70年の大阪万博の成功は失敗の元だ。ハコ物を作れればいいと思っている。
このあたりでも、ATC、WTC、ワイン館、こんなようなモノを作ってどうするんだろうと心配するくらい余分なモノ作りました。
大阪市は、破産するかもしれないと言われています。破産すれば、国の管理化に置かれます、交通運賃も高くなるでしょう!是非選挙には、行ってください。これは義務です。
個人的に関さんを応援してますが、選挙には行ってください。なぜ応援するか、なんかしらないけど元気なんです。30%の投票率では、無責任でしょう!
社会は、行政、民間、個人で成り立っています。
日本人は、ゴルフが似合わないんだから止めといたら?事務所近くのうどん屋の主人が、練習してるから、「やめなはれ」と言っているうちにつぶれてしまいました。
自分の持ち場をはっきりして、前に行く元気をだそう。
最近の学生は、大学出ている社員でも、電話を取っても話さない。(携帯電話に慣れすぎ?電話は自分のところにしか掛かってこないと思っているのか、話せない)
自立していない、建築事務所に、22歳の子供と一緒に親が来る時代、何しに来たの?と親に聞くと、子供が建築家になりたいと言うので、どんな仕事かと思って連れて来ました。いい加減、親も子供も自立しなさいよ。建築家は自立していなければ出来ません。
私は、銀行と商社から頼まれた仕事はやらない、直接頼まれないとやらない。
人を介するというのは、それだけ熱意がないからだ。
ロイヤルホテルの周辺には散歩するところがない。大阪には行くところがない。外国の人は朝食の前後に散歩する習慣があるけど、行くところがないと言っています。
活性化すれば人が集まる。社長がゴルフをやってる場合ではない。(安藤さんはゴルフが嫌いみたいです)
土日休んでいては、戦えない。私の事務所は、27人の社員がいるが、私が電話するまで、午後10時でも11時でも全員残っています。
パリの写真を見せながら、ドゴール大統領の時に、アンドレ・マルローを文化大臣?に任命してフランスの文化を守った。
日本には、「これからどのような国をするか」というプランがない。
日本人の民度は、相当に高かった、イギリス等で貴族の文化度は高かったが、一般庶民まで歌舞伎を見たり、面白いことを探していた民族はなかった、今は歌舞伎よりゴルフだ。
大阪城は、100万円の寄付でできている。大阪の人は、そんな気質をもっているはず。
今の大阪には、緑がない、大阪の写真を外国人に見せると、「こんな恐ろしいところに住んでいるのか」と驚かれる。
街に骨格がない。
大阪から、出ていけない理由がある。
69年の20代の終わり、大阪中のビルの屋上緑化しようと市役所に行って提案したがダメだった。
次は、美術館博物館をビルの上の階に作ろうとしたがダメだった。
大阪には夢がない。
なんでもそうであるが、ある物を味方にすることが大事だ。中之島一体は、両側を川に囲まれている稀有なところである。そこで、地上を公園に、地下に美術館をと考え提案したが、法律上の問題もあってだめだった!
建物には、街には、何か感じるものがないとダメである。
駅の前を、高架の緑の公園を作ることも考えた、「太陽が当たっているところに自動車、太陽のあたっていないところに人間が歩いている」のはおかしいというのが発想だった。
これには大阪市役所の人の反対にあった。地下街をどないするのですか?折角作った地下街を!というのが、反対の理由。
街は心意気を迫る!
等々、全部だめだった、市長やお偉いさんには、勇気が必要だ。勇気だけは無い人が多い。
そんな時に、中ノ島公会堂(卵の案?)の案に、稲盛さんが賛同してくれて、鹿児島大学に12億円を寄付して、ホールを作ってくれた。
サントリーミュージアムは「佐治さんが、思い切ってやれ、責任はわしがとってやる」
海遊館の前に、シャチを3匹放す案を提案した、しかし、磯村さんは「生き物は死ぬからな~」と勇気がない。
青春の詩も佐治さんから教えて頂いた、「おもしろいやっちゃな、何をやっているだ(会った当初は、建築家だということも知らなかった)」そんな風に助けてもらった時に、「大阪で青春を終われ」と言われた。
東京大学の教授になった話、
自分に務まるかなと思った。家族は「詰まらんことやめておきなはれ」と取り合わない。いろんな人に相談した時、大阪から住所を移さなかったら、いいと言ってくれる人がいた。住所を東京に移さないでの就任は難しいが、なんとかしてもらった。
東京大学の学生、60人のうち、半分はフラフラですな、判断力がない、礼儀がない、子供の頃遊ぶ時間がない。幼い頃からの受験勉強と頭がいいと言われ続けて、おかしくなっている。
人間関係の作り方をしらない。優秀なのは10人、あと20人ぐらいはヤル気がある。
かけたものには全力投球!
何とかなる、そのうちに、そのうちにと言っているうちに、今日の危機的状況を迎えているわけです。
自己責任がない!
視野を広げて、自分で考えたら前に行ける。
自分の考えや主張がないのにコンサル、コンサルでは、結局コンサルのいいなりになってしまって、良いものが出来ない。
大阪には魅力がない、魅力がないから行かない、来ない。京都の人も、神戸の人も大阪で会いましょうというと曖昧な返事しか返ってこない。
大阪には、戦後できた会社がない、京都は戦後できた会社が多いのに!企業は前に行く勇気が必要。
オアシス、心の森がある。何をやっているか発信
大阪に活力がない。大阪は残りかす、情報力がない。大阪のイメージというのは、
「仕事がない。不法駐車が多い、高級車が多い、ゴミが多い、緑が少ない、公共心が少ない、ホームレスが多い」
神戸では、「花いっぱい運動」をやっています、1年で大分キレイになりました。なればなったで、今度は身障者が歩きにくいとか声が出てきますけど、それはその時に考えたらいいんです。
街は刺激をもらうところ、活性化すると人が集まる。
大阪人は、散歩しない。
「散歩してどないするの?」これでは、話になりません。
自分たちがやることは、「死にもの狂いでやる」
平成大阪の通り抜け、1700本の桜があればつながる、そう考えて、始めました、今も1本1万円の募金でやってます!
最初の植樹祭の時に、小泉さんを呼んだ、きてくれることになって、2000年に生まれた子供たちと一緒に植樹をしようと考えていたら、大阪の役人は、コンパニオンを呼ばなくいいのか?もう、終わってますね、この発想では!
その後ドーム近くでは、巨人、オリックス戦があったので、選手に来てもらうことにしたが、都合がつかず来たのは堀内、抑木の両監督だった、きっとこの桜は枯れまっせ。(笑い、このほか結構笑いを誘ってました)
千葉ロッテマリーンズ球場のそばに松下電器の1万坪の空き地があります。中村さんに言って、1万本の桜を植えることにしました。
2006年4月9日に花見をします、咲かなくっても良いんです、でも、移植した最初の年は咲くんです。
麻生さんやら、安部さんやらが、来ることになってます、200人を招待して花見をすることになります、この時咲いていなくても、集まって対話することに意義があるんです。
この費用にしても、広告をすることを考えたら、NHKは来る、マスコミは勝手に取り上げる、話題になるので、採算を考えたらトントンでしょう。
社会は企業に、企業は社会に貢献しなくては!損も得もないでしょう。
「人の心に花を咲かす」
希望は新しい社員です、私は3年間社員を教育することにしています。
皆さんのしっかりやってください。
大阪の人は、ほとんどの人が寝ています、ゴルフやっていないで面白いところを探そう、行こう!
明日は自分たちの心の中にある
「生きることが楽しい」と思えるような大阪に、がんばってして行きましょう!
以 上