記者有論 朝日新聞 これは面白いと思った! |
1998年の参院選で自民党が負け、衆参がねじれた国会の最初の仕事は、日本長期信用銀行の破綻をはしめとする金融危機への対応だった、就任したぱかりの小渕恵三首相が[野党の声に耳を傾ける」と宣言したのだが、呼応するように金融問題は「政局にしない」と明言した当時の民主党代表は菅首相、党と国会の連絡役にして野中広務官房長官とも気脈を通じて社長室長と言われた党企画委員長は仙谷由人官房長官、さらに委員会の現場で修正協議を合意に持ち込んで政策新人類と称されたのは枝野幸男幹事長だったのである。
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あの時の小渕さんの役回りを菅さんが演じたんだねと当事者に聞いていくと、いやその体験を思い出したわけではない、ただ同じ3人が似た局面を迎えれば同じ発想に至るのだという説明である。だから実は勘所はあのときと同じく「政局にしないこと、つまり消費増税を先々の紛争の火種にしない「無力化」が狙いたったという。
暗かにこれは出来過ぎた話で、このまま参院選で過半数を制すれば消皆増税は信認されたと胸を張って強気の政樹運営ができよう。かりに過半数を割っても同じ10%論の自民党とのバーシヤル(部分)連合で国会の主導権は手放さずに済む。いずれにせよ自民党政権さえ踏み込めなかった抜本改革を堂々と訴えたと言えるし、さらに9月の党代表選を見越して小沢・亀井勢力の批判をあらかじめ封じる布石ともなる。つまりはこれは一石三島、四島なのだ-。
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だがうまい話には裏がある。唐突な消費増税の提起に、だから民主党に過半数を与えるなとの包囲網が出家上がり、菅首相もいやいや実現は2、3年先だと発言は後退気味だ。
金融国会の小渕首相かと思いきや、減税発言の迷走で参院選に負けたその前の橋本龍太郎首相の方だったか、と思わないでもない。
もちろん2週間前のこの欄で支持率に右往左往する政治の危うさを指摘した身、世論調査の結果だけで菅政権を批判するのではない。何より深刻なのは、仙谷氏らが標榜する「熟議」の政治、徹底した討議でより確かな結論を得る奥深い政治とは完全に矛盾する行動が止まない点である。
予算委員会審議さえ拒否して選挙になだれ込んだ拙速さは枝野氏さえ反省の井を述べざるを得なかったのに、計算が先立つ消費増税をこれまた党内論議さえ生煮えのまま持ち出してしまう。これでは、仙谷氏らが背中にしょった熟議の二文字が泣くとしか言いようがないではないか。
う〜ん、そんなこともあったか?歴史の彼方で、覚えていない。
でも、あの10%論を出してきたときに、待ってましたと言う感じはしました。
巧妙な戦略だと・・・そろそろ、国民を騙す政治は、脱却しないといけないです。