納得すれば消費は伸びる 大機小機 日経より |
筆者も40年来の老後の友と夫婦連れで、東京ば、足を運び、時間を楽しみ、対価をちゃんと支払っている。直近の日銀短観によれば、地方経済に薄明かりが差し、個人消費も立ち直りの気配を示している。
一方、失業率10%と経済の根っこが緩んだままの米国では、個人のバランスシート調整という重い課題が残っている。それを背景に、節約意識を持った新しい消費スタイルが注目されているようだ。
昨年1 2月18日付のウォールストリート・ジャーナルは「落ち込んだ景気が立ち直っても、消費者は新しい価値観を守るだろう。新しい価値観とは、注意深く、実利的で、社会性を尊重し、富を白慢することを慎むというものだ。米国の消費者の価値観は、、第2次大戦以来の節目を迎えている」と記述している。江戸時代の日本で言えば、縁台将棋、風鈴、俳句に象徴される、シンプルな文化・文政時代型の消費性向だ。
もっとも、同紙は他方で「同時テロ後のように、景気が回復すれば以前のような過剰消費に戻るかもしれない。高級品メーカーの中には、その両方に備えた戦略をとるところもある」と、用心深く付言している。バブリーな元禄時代型消費が復括する気配もありとみているようだ。
個人消費は日米とも回復局面だが、いずこにおいても、質量どんな形をとるにしても、キーワードは「納得性」
だろう。この時節、10万円近くも出費して手に入れた新品のドライバーのクラブを嬉れしそうに素振りする友人を見ながらそう思った。