「コラボラボ」の横田響子さん |
リクルートに入り、仕事が楽しくなり始めた頃、父が若くして認知症を発症した。介護のため、東京と大阪を行き来する生活が続き、「雇われ人」としての限界を感じる。より多様な働き方ができるように、女性経営者を支援する仕事がしたい。04年に退社し、それまで漠然と思い描いていた起業を実行に移すことにした。
規模は小さくても魅力的な会社が1社でも増えればと願う。5人しか雇えなくても、約6万7千人とされる女性社長が4倍に増えれば、100万人以上の雇用が創出できる。「会社を育てることは、未来の子どもたちの就職先を作りだすことかな」
小さいなりにも一つの専門性を持ち、互いの強みやスタイルを生かして補完しあう。足りない知識は共有する。そうすれば集合体となり、環境問題などの大きなプロジェクトにも挑戦できるはず。
画一的なタテ社会に物申す、目指すのは、「コラボ」を大切にするヨコ社会だ。
横田さんが「コラボラボの経営バイブル」と呼ぶのが、『フリーエージェント社会の到来』(ダイヤモンド社)。米クリントン政権下の労働長官補佐官やゴア副大統領の首席スピーチライターも務めた著者が「雇われない生き方」が未来の社会をどう変えていくのかを描いた本だ。
「フリーエージェント」を支えるのはヽインターネットや地域コミュニティーを活用したヨコのネットワーク、家庭と仕事の「バランス」をとるのでなく、「ブレンド」する生き方を示している。