大分下火になったかな、ウッズ 船越園子さんのコラム 昨年 |
れ、誤った方向へ逃げ場を求めたと思えてならない。家族を欺いた非は否めないひしかし、偶像という名の虚像を当てはめた側にも責任はある。
いつだったか、トム・ワトソンが「誰にも秘めたる思いがある」と言った。ウッズにも秘めたる思い、秘めたる一面があった。良かれ悪しかれ、それがウッズの実像だった。その秘部を暴き立てる権利は本来、誰にもないはずだ。しかし、ひとたび暴かれてしまったら、手段や経路は問われず、暴かれた秘部だけが取りざたされる。そこだけは、納得がいかない。
ウッズをどこまでも糾弾するのか、それとも私生活は無関係と切り離すのか。その判断は各人次第だ。私はこれまで彼が大勢にもたらしてくれたものへの恩返しとして、彼の復帰への入り口を開けておいてあげたいと思う。
ウッズを応援し続ける人がわずかでもいれば、彼が生き直す道はきっと開ける。「裏切り者」と責められ、転落した彼だからこそ、立ち直る過程では借戒の大切さを痛感し、感謝し、さらに大きなスターになりうると患う。そこに希望はある。これまでのウッズが虚像だったとしたら、これからは彼の実像を眺めていけばいい。
今夜はイブ。サンタクロースの魔法でソックスの中身を「疑惑」から「新たな夢」へ変えることはできるだろう
か。一人一人がサンタクロースになったつもりで少しばかり考えてほしいと願う夜だ。
(在米ゴルフジャーナリスト)