ヤザワ パートⅡ |
肝心なのは次の一歩をどう踏み出すか。自己を巨視的に眺める第2の目が舵(かじ)のプレを極小に抑える。
「鏡の向こうにいるヤツは、絶対裏切らなかった親友なんですよ。おまえ、俺と一緒に来てくれたね。倒れず
に付いてきてくれたね」。
10年前の夏の夜、矢沢は虚空に浮かぶ「おまえ=親友」の顛難(かんなん)を思い、感謝し、そして涙した。
「あの事件のおかげで今の自分があると思います。本当は金が欲しかったわけじゃないってことも分かったのよ。幸せとは何ぞや。謎が解けたんですよ。俺には音楽がある。俺にはコレがあると思えることが(すなわち)幸せなんですよ」
この世に変えられない運命などない。矢沢の思考と行動を統一してきた主題はそれだ。「自分を信じる。
おまえだったらやれる」やるなら今しかない。
「YAZAWA、60歳にして集中攻撃かけてますから。扉、けり破ってね。まだまだやりますんで、ヨ・ロ・シ・ク」。ポキリと乾いた物言いが、何より矢沢の懸命さを伝えてきた。(編集委員 朝田武蔵)
ヤザワのオーラは,ここからきているのかもしれないなですね。