キューブの家 日経 10/8 |
小屋の広さは、間口10日(約3㍍)、奥行き15日(約4・6㍍)。わたしの住居は思索のためだけではなくまじめな読書のためにも大学より好都合であった」。簡素な小屋に住み、思索と読書で自分を成長させた様子を克明に記している。
長明や良寛、ソローらが簡素なミニマム住居で独り暮らして、思索を深めていった事情からは、一辺が3㍍ほどの小宇宙にも軽視できない大きなパワーが秘められていることが分かる。
私たちは豊かさの象徴として、より広い住空間を求めてきた。現代は総世帯のざっと3分のlを1人世帯が占めるおひとりさまの時代でもある。
独りで簡素なミニマム空間で畢りすことの意味をじっくり問い直してみたい。﹇特別編集委員 足立則夫﹈
設計した建築家の長坂常さん(翌には、前から無人島で独り暮らしをしてみたいという夢があった。その考えをもとに、モノや機能があふれかえる現代の住宅から、ぜい肉部分をそぎ落とす。たどり着いたのが、一辺が3㍍の木造の籍形建物。
長坂 常さん 「建築だけじゃなくて、今すべてが面白い」
長坂さんは、大学卒業後に高価な自転車を盗難されて以来モノには執着しなくなったそうです。
そして、初仕事はいきなりの大仕事。にもかかわらず、設計を超えて借り主探しを自分たちで行ってしまう、というようなアクティブな方です。
いま手がけている建築、家具、プロダクト、すべてが面白いという長坂さんです。
最後には「100% design Tokyo の案内」もあります。
長坂 常(ながさか じょう)
1971年 大阪生まれ
1993年 明治大学中途退学
1998年 東京芸術大学美術学部建築学科卒業
スタジオスキーマ設立(旧名)