朝日新聞にも社会起業家のことが!! |
でも、ふつうに働きながら、少しは世の中のお役に立つ。そんな生き方が、できないものだろうか。
サラリーマンも変わる
「スーツを著ながらでも世の中は変えられる」を合言葉に、外資系証券会社のサラリーマン、慎泰俊さん(27)が始めた「リビング・イン・ピース」はそんな試みのひとつだ。
金融機関などに勤める男女100人余りの若者が、仕事の経験を生かして、カンボジアにあるグラミン銀行のような組織へ資金を貸し出す日本初のファンドをつくろうとしている。この春にNPOにしたが、固定した組織や事務所はない。週末に集まって運営するパートタイムの社会起業家だ。会社の外ではなく、本業の中にも社
会貢献の側面は多かれ少なかれある。
そこに働きがいを感じる人々も多くなっていくのではないだろうか。会社の周辺に社会貢献できる問題を見つけ、事業に取り込む。そこで大事なのは、問題を発見し、解決する能力だ。こうした力は、あらゆる職場で求められている。働きながらスキルを磨き、人脈を増やしてから、いずれ起業するのもいいだろう。
若者の間には、競争に明け暮れる社会から逃れたいという意識もあろう。それでも、社会起業家の出現は社会の「復元力」の表れだと考えたい。彼らは日本が築き上げた豊かさの申し子なのだ。
本当の豊かさへつなぐ
社会起業家が必ずといっていいほど苦労す各のが、行政の無理解だ。貧しい人を食いものにするような「貧困ビジネス」が増え、まともな社会的企業との区別が難しい事情もあるだろう。
しかし、彼らを行政の縄張りを荒らす侵入者とみる傾向が根強いからでもある。そうではなく、行政の手の届かない問題を効率よく解決するパートナーとして受け入れ、いまある制度や規制の問題点を洗い出し」改革する力を生かさなければいけない。
既成の枠組みに守られた人々は、この新参者を排除せず、むしろ自分たちも変わっていく契機にしてほしい。
物質的には世界有数の豊かさを獲得した日本で、さまざまなシステムが制度疲労を起こしている。それを解決し次の経済社会の姿を見つけることが、本当の豊かさにつながるはずだ